LSD付きのFF車が面白いと見聞きして、ドライビングしてみたくなり、安いFF車という条件で白羽の矢が立ったのがNCP13であった。
当時勉強不足で、1.3RSと1.5RSがあるのを知らず、たまたま購入していたのが1.5RSだった。後に1.3RSをドライブする機会があったのだが、はっきり言って別物で、これから手に入れようと考えている方には1.5RSにこだわることが絶対だと明言しておきたい。
C56ミッションは1.5RSでないと着いていないからだ。このクロスミッションに価値がある。
ボクスターの売却金を目いっぱい使うつもりだったので、フルノーマル車を購入し、イチから作ることにした。
まずは軽量フライホイールを入手。1NZはいたって普通の乗用車向けユニットであるため吹けがイマイチでもっさりしている。
メインであるLSDはKAAZ製1.5WAYをチョイス。
その他ロールケージとフルバケ2脚も手配した。
年末年始の仕事の休みを使用して一気に作業を敢行するつもりだったが、ミッション分解時に5速ギアがなかなか抜けず、プーラーの爪でギヤを破損してしまい、シェイクダウンは1月末となってしまった。
助手席側フルバケットシートを目いっぱい下げるため、純正シートを分解し、スライドレールそのものにステーを溶接、スライドしない固定式とした。
ブレーキパッドはアクレフォーミュラ700C。減りが早いのが欠点ではあるが、熱でディスクが発光する温度になっても制動力を確保できる。
早速乗り出してみると、これは面白い。
フロントに抵抗物となるLSD装着で回頭性が悪くなると思っていたのだが、全く逆で、かなり曲がるようになった。
これは、コーナリング時に一番荷重のかかっている外輪が強力に駆動することで旋回力であるヨーを発生させるためだ。
ヨーがリアのグリップ力を上回った時、まるでパワースライドのようにアクセルオンでリアが振り出すこともある。
このことがきっかけで、ドライビングスタイルがいわゆるバランススロットルというアクセルを積極的に踏んでいく方向にシフトすることになった。
FF車はよく、我慢を強いられるドライビングだ、と揶揄されるが、LSDを装着することでその概念は吹き飛び、比べ物にならない程にアクセルオンの時間が延びるのだ。
注意点としては、コーナリング中、パワーをかけた状態で外輪が限界を超えると、一気に頭が外に逃げる挙動を示すため、特にミューが変化するコーナーでは気を付ける必要がある。
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